【資金調達】銀行借入がしやすくなるポイント(行動編)
企業が資金調達をする方法には、
・銀行からの借入・投資家からの出資
・助成金や補助金の獲得
・クラウドファンディング
・その他(社債発行・資産売却など)
などがあります。
その中でも、最も手っ取り早く資金調達ができるのが、銀行借入です。しかし、銀行から融資を受けるにしても、そう簡単ではありません。
人気ドラマ半沢直樹の中で、『 銀行は晴れた日に傘を差し出し、雨の日には傘を取り上げる』という、せりふがあったように、『貸して欲しい時に貸してくれない』とよく言われています。
実際に経営者の中にも、そういう経験をされた方もいるのではないでしょうか?
必要な時にお金が借りれなければ、チャレンジできません。チャレンジできなければ、会社は成長できません。
もし、経営者が『貸して欲しい』と考えている、タイミングと金額で、銀行から借り入れることができたら、安定した会社経営ができるでしょう。事業をどんどん伸ばすことができるでしょう。
でも貸してくれないんです。なぜでしょうか?どうすればいいんでしょうか?
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別記事”銀行借入がしやすくなるポイント”(マインド編)では、会社側が持っておくべきマインドの部分をお伝えしました。
今回は、銀行借入がしやすくなるポイント(行動編)をテーマに、
・銀行はどこがいいのか?
・スムーズに話を進めるために行うこと
・バックアッププランを考えておく
について説明します。
これらを理解できると、銀行借入をするために、具体的な進め方がわかり、実際に行動することで、銀行から借り入れできる確率が断然アップするでしょう。
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もくじ
銀行はどこがいいのか?
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金融機関の種類は大きく4つ、
・政府系金融機関
・都市銀行
・地方銀行
・信用金庫
に分かれます。
都市銀行は、大手企業をメインにしており、ベンチャー企業には貸してくれません(例外もあると思いますが)。
一方、政府系金融機関である、日本政策金融公庫は、中小企業や新規事業者に対し、積極的に融資を行っています。
日本政策金融公庫は原則プロパー融資で、
”プロパー融資:直接銀行からお金を借り入れること”
必要とする資金の3割程度の自己資金を用意する必要があります。認定支援機関を使うと審査の通過率が上がるようです。
”認定支援機関:国が認定する公的な支援機関”
地方銀行や信用金庫も有効です。こちらでは、制度融資が一般的です。
”制度融資:保証協会を通じた融資”
制度融資では信用協会が保証人になるので、銀行からすると、貸し倒れリスクが減って、貸しやすくなるんです。
自己資金がある程度あるなら、政府系金融機関で、なければ、地方銀行もしくは信用金庫で、制度融資で調達するのがいいです。
アプローチする順番としては、政府系金融機関、地方銀行/信用金庫、都市銀行の順がいいでしょう。
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スムーズに話を進めるために行うこと
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銀行は、資金を必要としている会社でなく、確実に返済できる会社に融資することを念頭に置かなければいけません。
その上で、借入をスムーズに進めるために、何に気をつければいいのでしょうか。
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まず相手の状況を理解する
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まず、立場の違いがあることを理解しておかかければいけません。金融機関の担当者はサラリーマンなので、経営者の価値観を理解するのは困難です。
サラリーマンである担当者は、自分の昇格や昇給が関心ごとですから、貸倒リスクを極力抑えた回収が確実な融資案件をまとめようとします。
そのため、”融資をしても大丈夫”という説明資料に仕上げる必要があります。
ですから、担当者とコミュニケーションを密に取り、信頼関係を構築し、よく相談して準備しましょう。
その他、クレジットカードやiDeCo等のノルマもあるので、これらに協力すると、ポイントが上がると思います。
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担保を提供する
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ベンチャー企業が、借り入れできない原因は、信用度の低さです。信用度の低さを補ってくれるのが担保です。
担保が用意できてると、資金調達は難しくないです。
担保には、人的担保や物的担保があります。
人的担保は、基本的には経営者本人の保証です。保証人になる経営者には、高額収入があるとか、価値のある財産を持っていることが必要です。
物的担保は、自社の工場の土地や生産設備などの資産です。担保になる資産があるのなら、提供することを考えてもいいでしょう。
ただし、返済が滞ったりすると、資産を失うことになりますから、提供するかどうかは、慎重に考えましょう。
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必要な情報はすぐに提供する
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融資は、銀行内で決められたルールに基づいて決済されますので、それに合った資料等を提出しなければいけません。
実際には、担当者とよく相談して、必要な資料や情報を、まとめるようにしてください。代表的なものとしては、
・直近2年間の決算書
・月次試算表
・資金繰り計画
・事業計画
・予算と実績との差異
があります。
その他、いろいろな資料を求められます。
原則、それらの要求を拒んではいけません。またすぐに準備して提出するようにしてください。
どうしても提出できない、準備できない資料を求められた場合は、対案をもって対応するようにしてください。
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誠実に対応する
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銀行担当者との信頼関係が重要になります。不利になる情報についても、包み隠さず、開示したほうがいいです。
後で明るみになった場合、信頼を大きく損ないかねません。その後の借入に対するハードルが上がってしまいます。
逆に、いち早く開示することで、銀行との信頼関係は強力なものになります。
取引先や顧問税理士等から、銀行に紹介してもらえると、より信頼を裏付けることができます。
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資料作成の留意点
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過去の決算から将来の予測までを一覧表にした情報があるといいです。
将来情報といっても、極端な右肩上がりや右肩下がりの数値を記載してはいけません。
過去の推移からみて無理のない右肩上がりがよく、右肩上がりの根拠として、自社の属する市場規模や成長性を勘案して作るといいでしょう。
顧問税理士やコンサルタント等の専門家に手伝ってもらうといいです。日本政策金融公庫の場合は、認定支援機関の利用がおすすめです。
専門家が関与していると、決算書が正しいと印象づけることができます。
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バックアップを考えておく
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経常利益が2期連続赤字であったり、債務超過に陥ってたりすると、借入がたいへん難しくなります。税金や社会保険料が未納でないことも重要です。
前記の資料等をもとに、銀行は融資の可否や融資限度額等を判定しますが、融資がOKになったとしても、一度に借入できるとは限りません。
借入できないという結論になる場合もあります。
借入できない、あるいは希望融資額に満たない場合を想定し、必ず、他の資金調達方法、
・投資家からの出資
・助成金や補助金の獲得
・クラウドファンディング
・その他(社債発行・資産売却など)
などを並行して、検討進めるようにしてください。
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まとめ
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今回は、銀行借入がしやすくなるポイント(行動編)をテーマに、
・銀行はどこがいいのか?
・スムーズに話を進めるために行うこと
・バックアッププランを考えておく
について説明しました。
今回の話をまとめると、アプローチする銀行の順番としては、政府系金融機関、地方銀行/信用金庫、都市銀行の順がいいでしょう。
スムーズに話を進めるために、相手の状況を理解し、必要な情報はすぐに提供するなどの誠実な対応が大事です。
また借入できない、あるいは希望融資額に満たない場合を想定し、必ず、他の資金調達方法を並行して、検討進めるようにしてください。
これらを実際に行うことで、銀行から借り入れできる確率が断然アップします。
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wrote by ひさつぐ
(本名:丹田 久嗣(たんだ ひさし))
職業 :経営コンサルタント
業務内容:資金調達、上場準備、社外CFO、その他経営コンサル
活動地域:大阪、京都、滋賀、その他(要相談)
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