【資金調達】銀行借入がしやすくなるポイント(テクニック編)
企業が資金調達をする方法には、
・銀行からの借入・投資家からの出資
・助成金や補助金の獲得
・クラウドファンディング
・その他(社債発行・資産売却など)
などがあります。
その中でも、最も手っ取り早く資金調達ができるのが、銀行借入です。しかし、銀行から融資を受けるにしても、そう簡単ではありません。
人気ドラマ半沢直樹の中で、『 銀行は晴れた日に傘を差し出し、雨の日には傘を取り上げる』という、せりふがあったように、『貸して欲しい時に貸してくれない』とよく言われています。
実際に経営者の中にも、そういう経験をされた方もいるのではないでしょうか?
必要な時にお金が借りれなければ、チャレンジできません。チャレンジできなければ、会社は成長できません。
もし、経営者が『貸して欲しい』と考えている、タイミングと金額で、銀行から借り入れることができたら、安定した会社経営ができるでしょう。事業をどんどん伸ばすことができるでしょう。
でも貸してくれないんです。なぜでしょうか?どうすればいいんでしょうか?
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別記事で、銀行借入がしやすくなるポイント(マインド編)では、会社側が持っておくべきマインドの部分を、銀行借入がしやすくなるポイント(行動編)では、具体的な行動についてをお伝えしました。
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今回は、銀行借入がしやすくなるポイント(テクニック編)をテーマに、
・赤字や債務超過でも借入できる?
・格付けを知る
・銀行の決算期を狙う
について話をします。
これらが分かれば、少々会社の業績が悪くても、銀行借入できることがわかるでしょう。いや逆に、銀行が貸したいと思うでしょう。そうすれば、会社の安定経営は保証されたも同然です。
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もくじ
赤字や債務超過でも借入できる?
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『赤字だと銀行はお金を貸してくれない』ある意味では合ってますが、ある意味では、間違っています。
まず、1期の赤字は問題ありません。一般的には、2期連続赤字でなければ、借りることができます。
会社経営をしていたら、いろんなことが起きます。その赤字の原因が、将来に向けた先行投資のためだったり、突発的な経済情勢の悪化などの一時的な結果だったりするからです。
しかしさすがに、2期連続赤字だと警戒されます。
では、2期連続赤字だと絶対に無理か?というと、またそうでもありません。
債務超過でなく、改善の兆しが見えているのであければ、融資してもらえる可能性はあります。
適切な施策を打っていて、改善傾向であり、次期には必ず、黒字転換することを説明できれば、大丈夫です。
一方で、債務超過は相当まずいです。
債務超過とは、負債の総額が資産の総額を上回る状態を指します。
このようなケースでは、資産を全部処分しても、負債を返済しきれないということになるので、銀行としては、お金を貸しても返ってくる見込みは低いと、判断されるからです。
『そうか。債務超過はダメかぁ』
ちょっと待ってください。債務超過になると、かなりハードルが上がりますが、負債に内容によっては、債務超過を逃れることができるかもしれません。
例えば、負債の中に役員からの借り入れがあると、それは出資とみなすこともできるので、負債から外すことができます。
科目仕分けを変えるだけで、債務超過を逃れ、借入の可能性が開けるんです。ですから、しっかりと決算書を見直して、適切な仕分けをするように心がけてください。
社内でできない、わからない場合は、会計士や専門家などに相談するといいでしょう。
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格付けを知る
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各銀行が行う”信用格付”というのがあるのはご存知でしょうか。
これを知らないと、信用各付が低くなり、融資が受けずらくなったり、貸付条件が悪くなったります。
各銀行は、企業への融資に際して、独自の方法で企業を評価し、信用格付して、それを元に融資の可否や貸付条件などを決めています。
最低年1回、企業の決算書やその他情報を受けて、”信用格付”を行います。
”信用格付”するための評価方法は、各銀行で違いますが、大きくは、定量評価と定性評価に分けられます。
定量評価は、決算書などから安定性・収益性・返済能力などを客観的に数値で評価するものです。
中でも、返済能力について、ウエイトが大きくなるのは、納得できると思います。
定性評価では、市場動向・経営者・経営状態を担当者が主観的な見方で判断するものです。
定量評価は、決算書の数値で算出されるのでどうしようもないように思いますが、科目の付け替えで、数値が変わります。
もちろん、会計ルールから逸脱した付け替えは、粉飾決算にもなりかねませんので、絶対にしてはいけませんが、会計ルールの範疇で行う付け替えは問題ありません。
例えば、固定負債と流動負債の線引き(原則としては1年基準)は曖昧だったりするので、固定負債から流動負債へ付け替えることで、定量評価が良くなったりします。
ですから、適切な仕分けをするように心がけてください。
社内でできない、わからない場合は、会計士や専門家などに相談するといいでしょう。
定性評価は、担当者の主観的で決まりますから、担当者との信頼関係構築がキーとなります。
できる限りオープンな情報交換と、担当者のノルマ、例えばクレジットカードやiDeCo等に協力するといいでしょう。
ちなみに、定性評価のウエイトは、都市銀行<地方銀行<信用金庫の順で、大きくなるようです。
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銀行にも決算期がある
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銀行の決算期を意識するだけ、で借入できる確率は変わります。これを知らないと、損をします。
『そんなの銀行の都合じゃないか』と、軽く考えないでください。非常に重要なことです。
銀行にも、会社と同様に決算期があります。
会社法では、決算期は任意に決めることができますが、多くの会社の決算期は3月のところが多いです。
銀行もまた、3月を決算期としているのがほとんどです。中には、そうではない銀行もあります。
銀行の各支店には、貸し出しのノルマがあります。ノルマ未達であれば、支店の評価が下がります。
ですから、決算期が迫ってくると、何とかノルマを達成したいと思うようになります。
すると、貸してくれる可能性が高くなるんです。
例えば、融資を受けたい銀行が3月決算期だったら、半期が締まる9月と、決算期である3月が狙い目です。
各銀行の決算期を意識して、1,2ヶ月前くらいからアプローチしておくといいでしょう。ですので、事前に各取引銀行の決算期は、調べておくようにしましょう。
以前に断られても、決算期に近づいたら、彼らからアプローチしてきたりもしますので、諦めないでください。
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まとめ
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今回は、銀行借入がしやすくなるポイント(テクニック編)をテーマに、
・赤字や債務超過でも借入できる?
・格付けを知る
・銀行の決算期を狙う
を話しました。
今回の話をまとめると、赤字や債務超過でも借入できる可能性があります。
銀行で行われる格付けを上げることができれば、貸し付けがしやすくなります。
また、銀行の半期や決算期前は融資のハードルが下がります。
これで、少々会社の業績が悪くても、銀行借入できることがわかるでしょう。これらを実行すれば、銀行が貸したがる会社になれます。そうすれば、会社の安定経営は保証されたも同然です。
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wrote by ひさつぐ
(本名:丹田 久嗣(たんだ ひさし))
職業 :経営コンサルタント
業務内容:資金調達、上場準備、社外CFO、その他経営コンサル
活動地域:大阪、京都、滋賀、その他(要相談)
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