【会社経営】私が社員に対して心掛けていたこと
前回の記事に引き続き、社員の定着率に関する話をしたいと思います。
中国での採用事情は、日本のそれと大きく異なります。
中国では、募集をかけると、すぐに多くの人がやってきます。面接は1回のみで、採用するかどうかを判断します。採用してもその約半分は1週間以内に来なくなるので、採用予定人数の大きく上回る人数を採用するんです。
1週間ほど働いてみて、合いそうにない人は辞めていき、合いそうな人だけが残る、そんな感じです。
そうやって定着した社員も、春節(日本でいう正月)を境に来なくなるということがよくあります。社員の定着率が非常に悪いんです。
社員の定着率が悪いと、採用コストが嵩みます。やっと採用できてせっかく教育したのに、辞められてしまっては、教育に費やした費用も労力も無駄になります。また採用をしなければいけません。
任せられる人材が育たず、いつまで経っても権限委譲ができません。できるだけ社員の定着率を上げ、社員のスキルを上げていければ、これまで社長やマネージャーが担っていた業務をどんどん権限委譲することができます。
そうすると、社長やマネージャーは将来の会社のために時間を費やすことができ、会社の成長にドライブがかかっていきます。なのにそれができないんです。
私は以前に、中国子会社を初代総経理として、2年間赴任していた経験があります。
私の会社でも、社員が定着するまでは、中国の他の会社と同じように、多くを採用してはその半数が辞めていく状態は同じでしたが、他の会社と違ったところがありました。
それは春節時の離脱率です。
私は、2回の春節を経験しましたが、誰一人辞めることなく休み明けを迎えることができました。もちろん、私なりの対策を講じていました。その対策がよかったのだと思います。
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前回の記事では、”私が行ったこと”にフォーカスを当ててまとめましたが、今回は、”私が社員に対して心掛けていたこと”に焦点を当てて、
・社員が辞める理由を潰そう
・社員が辞めると言い出したら?
・兆候を見逃さない
・会社のゴールを明確にしておく
について話をします。
これからお伝えする私の実体験が参考になることを祈っています。中国だけの話ではなく、日本でもどんな国でも同じだと確信しています。社員の定着率を上げるために、何が必要なのか?のヒントを得てもらえればと思います。
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もくじ
従業員が辞める理由を潰そう
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社員が会社を辞めたいと思うのは、どんな時でしょうか? それには2つあると思っています。
まず1つ目は、会社のゴールと個人のゴールが不一致あるいはズレているとわかった時、そして2つ目は、会社のゴールと個人のゴールが一致あるいは包括されているが、何かの理由で個人のゴールが達成できないと感じた時です。
このいずれを感じた時、社員は、帰属している理由がなくなるために、『辞めたい』と思うんです。
この2つの中でも、会社として、絶対に対処しなければいけないのは、後者です。
会社と個人のゴールが一致あるいは包括されているのにも関わらず、個人のゴールが達成できないと感じてしまった、この時の理由が潰せると、社員の定着率は飛躍的に上がります。
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従業員が辞めると言い出したら
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社員が『辞める』と言ってきた時には、もう手遅れということが多いです。悩んでいる時に『辞めようかな』なんて相談はしません。自分の中で、抱えて、考えて、決断して、やっと『辞める』と言ってくることが一般的ですから。
しかし、ワンチャンあるとして、辞める理由を聞いた上で、下記の2つのパターンに分類して、対応するといいと思います。
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会社と個人のゴールがズレている場合
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会社と個人のゴールが不一致あるいはズレている場合は、もうその従業員には、帰属意識がなく、モチベーションも低く、ルールを守らなかったり、周りに悪影響を及ぼしたりしているはずです。
このケースでは、会社にとっても、従業員にとっても、不幸でしかないですから、わかった時点でできるだけ早く、辞めてもらったほうがいいと思います。
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できれば採用する前に、ふるいにかけたいですよね(中国ではできる環境ではありませんでしたが...)。
一つの方法としては、面接時に会社のゴールを明確に提示して、ミスマッチをできるだけ避けるというやり方があると思います。数回の採用面接で判断するのは難しいですが、やらないよりはやったほうがいいと思います。
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個人のゴールが達成できないと感じている場合
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個人のゴールが達成できないと感じている場合では、従業員は会社や仕事そのものに対して、不満を感じているわけではなく、違う理由が原因です。『会社あるいは仕事は好きだけど…』これは絶対に避けなければいけません。原因は、
・パワハラなどの人間関係
・社内外からのプレッシャー
・スキル不足からくる不安
・劣悪な待遇
などです。
まだ思い留まる余地があるようなら、原因を突き止めて、それらを排除する意思を示しましょう。言い分を100%鵜呑みにするわけにはいかないかもしれませんが、まずはしっかりと話を聞いてみましょう。
会社側に改善の意思が見えれば、思いとどまるかもしれません。
パワハラが原因であれば、パワハラをなくしましょう。場合によっては、被疑者を解雇すべきかもしれません。
適度なプレッシャーは必要だと思いますが、過度なものであれば、軽減する手当てをしましょう。
スキル不足は、教育や自己啓発を時補助するなど、サポートを強化するようにしましょう。
劣悪な待遇は、給与体系の見直しましょう。
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もし、これらの対策ができないのであれば、その旨を社員にちゃんと伝えましょう。その後どうするかは、社員の判断に任せるしかありません。
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兆候を見逃さず真摯に対処する
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社員は、突然辞めるわけはありません。日々の積み重ねで現れます。必ず兆候というものがあります。それを見逃さないことです。
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もし、気づかないというのであれば、それは、社員を気にかけていない証拠です。
まず、そこから考えを改めたほうがいいかもしれません。現場や部下をきちんと見れるようにしましょう。もし見れないのであれば、代わりに見れる人をおきましょう。
直接あるいは間接的に各社員の気持ちを汲み取るようにしましょう。
『話したい』と要求されたら、話しましょう。上司から声をかけるようにしましょう。コミュニケーションをしっかり取りましょう。
課題が見つかったら、それを取り除く努力をしましょう。安易にお金で解決しようと思ってはいけません。社員の心の声を聞き、真摯に対処する姿勢を示しましょう。
そうすることによって、社員は、『会社はちゃんと見てくれているんだ』と感じるようになり、気持ちを鎮めることができます。
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会社のゴールを明確にする
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そもそもの話になるんですが、まず第一に、経営者は会社のゴールを明確に持っておかなければなりません。
ゴールのない会社に魅力はありません。そんな会社で、社員は、一所懸命働きたいとは思いません。
ですから、『何がしたいのか?』『どうありたいのか?』をしっかりと考えましょう。そして、それを社員に事あるたびに伝え続けていきましょう。
なぜならそれは、簡単には伝わらないからです。
また、ズレている社員がいたら、厳しく指導をするようにしましょう。会社のゴールを個人のゴールに合わせる必要はありません。個人のゴールが合う社員のみを残ってもらえばいいんです。
会社のゴールを目指す中で、個人のゴールを達成できるとわかれば、その社員は会社に帰属していることに価値を感じます。会社もしくは仕事が好きになります。自分の仕事にやりがいを感じるようになります。
そして、やりがいを感じた社員はそう簡単には辞めません。
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まとめ
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今回は、”私が社員に対して心掛けていたこと”に焦点を当てて、
・社員が辞める理由を潰そう
・社員が辞めると言い出したら?
・兆候を見逃さない
・会社のゴールを明確にしておく
について話をしました。
この私の実体験が参考になることを祈っています。中国だけの話ではなく、日本でもどんな国でも同じだと確信しています。社員の定着率を上げるために、何が必要なのか?のヒントを得てもらえればと思います。
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wrote by ひさつぐ
(本名:丹田 久嗣(たんだ ひさし))
職業 :経営コンサルタント
業務内容:資金調達、上場準備、社外CFO、その他経営コンサル
活動地域:大阪、京都、滋賀、その他(要相談)
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