【上場準備】IPOコンサルの選び方
IPOコンサルの選び方
上場準備の内容は多岐に渡ります。
また、それらを実行していくためには人も必要ですし、時間がかかります。
東証グロース市場を例に挙げると、少なくとも5年はかかると考えていただくといいかと思います。
上場するのに創業から10年以上かかったという会社も少なくありません。それくらい大変ですし、時間がかかることなんです。
上場するためには、監査法人の監査証明が必要ですし、主幹事証券会社の推薦書がないと上場申請すらできません。さらには証券代行会社や印刷会社も必要になります。
彼らと一緒にやっていくためには、相当な知識が必要ですし、またあらゆることを同時に並行して進めていかなければいけません。
しかし、定常的に人材が不足している、また能力が十分に備わっていない、ベンチャー企業にとって、非常に厄介な業務です。ですから、自分達だけで進めていくには限界があります。
それを補ってくれるのがIPOコンサルタントです。
しかし一方で、IPOコンサルタントの選定を間違えると、上場準備がスムーズに進みません。ですからよく考えて選ばないといけなんです。
今回は、”IPOコンサルの選び方”をテーマに、
・IPOコンサルの役割
・どんなIPOコンサルがいるのか?
・IPOコンサルの選び方
について話をします。自社にあったIPOコンサルを選定できれば、心強い味方となり得ますので、自社にピッタリあったいいIPOコンサルを見つけましょう!
そうすればきっと、上場準備はスムーズに進められるようになります。
もくじ
IPOコンサルの役割
上場するためには、監査法人の選定、ショートレビュー、経営管理体制の整備、主幹事証券会社の選定、引受審査、証券取引所の上場審査など、さまざまなプロセスを進めていかなければいけません。
そんな際に心強い味方となるのが、IPOコンサルタントです。
IPOコンサルタントは、スケジュールの立案、監査法人や主幹事証券会社などの上場に必要な業者の剪定サポート、事業計画や資本政策などの資料策定や上場準備業務のサポートなどを行う専門家です。
すでに株式上場を経験しているCFOなどがいる場合は、 IPOコンサルタントを雇う必要はないと思います。
しかし、多岐にわたる業務を担える知識・経験・能力を有する人となると、CFOの人件費は年間2000万円程度になります。
また、会社のステージによって必要なスキルが変わってきますから、会社が求める能力を持ち合わない場合もでてきますし、そもそも社風に合わないということもあり得ます。
ですから、CFOの雇用にあたっては、知識・経験・能力、自社との相性など十分に検討しなければいけません。
社内で育てるという方法があります。
社内で育てることができれば、上場後の管理体制の運用も任せることができるし、人件費も抑えられるというメリットがあります。
しかし誰が教育をするのか?という問題もありますし、その教育には教育のための費用と時間がやはりかかります。
一方で、即戦力を求めるのであれば、やはりIPOコンサルタントです。彼らにはノウハウや実績があるので、安心して任せることができます。
また、雇用や教育と比較して、結果的に時間・コストの削減になることも多いです。
上場準備中の多岐にわたる業務は、一時的に必要となる知識や能力である部分も多いので、アウトソースをするというのは有効な方法だと言えます。
また、IPOコンサルタントの指導期間に、自社内の人材教育を兼ねることができれば、上場後の会社運営が自走させることも可能でしょう。
どんなIPOコンサルがいるのか?
IPOコンサルタントは、個人(少人数)で行なっている方も結構います。また、組織を率いてコンサルティング業務を行なっている会社もあります。
IPOコンサルタントは大きく分けて3つのタイプがあると思います。1つ目が、事業会社系。2つ目が、証券会社系、そして3つ目が、会計士系です。
それぞれ詳しくみていきましょう。
事業会社系
まず一つ目は、事業会社系のコンサルタントです。
ベンチャー企業やスタートアップ等で CFOを務め、上場までの実務を実際に経験した人がコンサルタントになったタイプです。
公認会計士などの資格をすでに持っている方も多いです。特にこのタイプは、実務を経験していることから、現場の肌感なども織り込んだアドバイスを行ってくれる点が特徴になります。
株式上場の忙しさやプレッシャーといった心理的な側面にも理解がある点でも、他のタイプとは違うと言えると思います。
証券会社系
2つ目が証券会社系のコンサルタントです。
彼らは、申請書類や回答書の作成などの証券会社あるいは取引所の審査対応を得意としています。
具体的には、証券会社や取引所の審査実務を熟知しているため、彼らが求めるものを効率的に作成・提供することができます。また、主幹事証券の対応が適切かどうかを判断するセカンドオピニオン的な役割も期待できます。
代表的なところでいうと、”タスク”さん、こちらは宝印刷グループです。”プラン・アンド・ディー”さんは、申請書類の作成のみならず、社内諸規程の整備から中期経営計画の策定、内部監査制度の立ち上げまで幅広くサポートされています。
会計士系
3つ目が会計士系のコンサタントです。
内部統制や決算体制の整備などを得意としています。財務諸表等の作成は、最新の会計基準を適用し、会計処理を適正に実施する必要があります。
監査法人の指導を受けて実施することになりますが、実際には、財務書類の作成や経営管理体制の構築方法は、自社でやらなければいけません。
会計士系のコンサタントは、会社と監査法人の間に入って、監査法人の指導内容を会社側にわかりやすく、翻訳する役目をしてくれます。
その会計士系コンサルタントでも、「作業を負担するコンサルタント」と「自律化を支援するコンサルタント」があります。
前者は、自社の手足となって作業を手伝うので、実業務を担当する社内人材が不足している場合に、向いています。
後者のほうは、自社で、経営管理体制の仕組みを構築し、自走できるようにサポートをしてくれるので、具体的な指示やノウハウが欲しい場合に向いていると思います。
代表的なところでいうと、”南青山FAS”さんは、資金調達からIPO・M&Aまで幅広くサービスを展開されています。”AGSコンサルティング”さんは、手厚いハンドオンに定評があります。
IPOコンサルの選び方
IPOコンサルを選ぶ際には、自社がどのような支援を必要としているのか?、自社に何が足りないのか? 自社の苦手分野を補うするために活用するという考え方で検討するといいと思います。
選びにあたってのポイントは3つです。
まず1つ目は、上場サポートの実績があるかどうかです。
経営管理体制の構築など実際の上場準備業務の経験をしているIPOコンサルがいいでしょう。
2つ目は、上場にまつわる外部機関との連携ができるかどうかです。
IPOには、監査法人、証券会社、証券印刷会社、VCなど、いろいろなパートナーが必要となります。それらのパートナーとコミュニケーションを取り、時には会社側立って、説明や説得もできなくてはなりません。
3つ目は費用です。
IPOコンサルによっても違いますし、どのようなサービスを受けるかによっても変わりますから、サービス内容と費用については、しっかりとすり合わせをしておいたほうがいいです。
費用感としては、500~1,500万円/年だと思います。
IPOコンサルを選ぶ要素としてもう一つ重要なことがあります。
IPOコンサルを活用する目的は、自社の苦手分野を補い、上場準備に必要な業務をこなすためですが、POコンサルのサポートで仕組みや体制を構築できたとしても、最終的に自走できなければ意味がありません。
経営管理体制や決算体制の仕組みをしっかりと構築し、自走できるようサポートしてくれるIPOコンサルが理想です。
まとめ
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今回は、”IPOコンサルの選び方”をテーマに、
・IPOコンサルの役割
・どんなIPOコンサルがいるのか?
・IPOコンサルの選び方
について話をしました。どのようにして自社にあったIPOコンサルを選定すればいいかわかったでしょう。そうすればきっと、上場準備はスムーズに進められるようになりますよ。
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wrote by ひさつぐ
(本名:丹田 久嗣(たんだ ひさし))
職業 :経営コンサルタント
業務内容:資金調達、上場準備、社外CFO、その他経営コンサル
活動地域:大阪、京都、滋賀、その他(要相談)
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