【できる経営者】経費の無駄遣いをしないために考えること

ベンチャー企業には、余剰の資金がないことが多いですので、経費の無駄遣いが命取りになってしまうことがあります。資金は無限にあるわけではありません。選択と集中し極力費用を抑え必要なところに資金を投入することが重要です。

 

買い物をするとき、自分の財布の中身を確認するでしょう。会社の財布も同じです。しかし会社の財布の中身を知るのは結構難しいんです。

 

現金や預金(銀行に預けているお金)はわかりやすいですが、前受金や前払金や売掛金や買掛金などは、会計に計上する時期と実際に入ってくる、あるいは出ていくタイミングがズレていますからね。注意が必要です。

 

会計では利益が出ているのに、『現金がない!』ってことが起こりますそうならないためにも、きちんと財布の中身を把握して、無駄な経費を使わないようにしなければいけません。

 

『わかっているけど…なかなかできないんだ』

 

忙しすぎたり、そもそも苦手だったりするかもしれませんが、やらなきゃ”ダメ”なんです。

今回は、”経費の無駄遣いをしないために考えること”をテーマに話をします。今回の話では、

 

・どの経費をどうみればいいのか?
・各経費が膨らむ要因と対策

 

について話をします。

 

これらを知ることで、どの経費に気をつければいいか?どのようにすればいいのか?がわかります。経費の削減ポイントがわかり、その削減できた費用を有効に使うことができるようになるでしょう。

もくじ

どの経費をどうみればいいのか?

全ての経費を節減するとなると、たいへんな労力と時間が必要です。ベンチャー企業にとってそう簡単にはいきません。

 

まずは大きな経費、三大経費に注力してしっかり管理するのがいいでしょう。では、三大経費とはどんな費用があるのでしょうか?

 

これらは業種によって特徴があります。代表的な業種の三大経費を整理すると以下の通りです。

 

飲食業 :材料費・人件費・地代家賃
小売業 :材料費・人件費・地代家賃
教育産業:人件費・地代家賃・広告宣伝費
建設業 :材料費・外注費・人件費
IT産業 外注費・人件費・地代家賃
コンビニ:人件費・廃棄ロス・棚卸し減耗損
パチンコ:機械台経費・人件費・広告宣伝費

 

次に考えないといけないのが、これらの経費が妥当なのか?どうか?です

 

業種や事業規模や運営方針に依存するところも多く、一概には言えないところではありますが、同業者で同規模の会社のデータ(各経費対売上高)を参考するのがいいと思います。

 

同規模の会社を探し当てるのが難しい場合は、いろんな規模の会社を参考にして予測するといいでしょう。

それらのデータと比べて多いのか?少ないのか?が目安になります。

各経費が膨らむ要因と対策

 

ここでは、材料費・人件費・広告宣伝費・地代家賃を取り上げ、これらの費用が膨れる要因と対策についてまとめます。

材料費

要因の1つ目は、過剰仕入れです。

 

一般消費においてもまとめ買いすると単価が安くなるというのはよく聞きますよね。

 

必要もないのに単価が安いからといって大量に買ってしまい、さらには使い切れずに廃棄してしまうことが起こります。単価に惑わされてはいけません。単価が高くても必要な分だけ買う。そうすることで結果的に無駄遣いは無くなります。

 

要因の2つ目は、価格交渉しないことです。

 

急ぐあまり、仕入調達先の相見積もりを取らずに、売り手の思惑通りの価格で買ってしまう。売り手は急ぎという言葉を巧みに利用して、値段を釣り上げてきます。交渉力は、買い手>売り手になるようにした方がいいです。

 

計画性をもって事前に、購入する商品やサービスの売価が適正かどうかを業界や競合他社の動向(製造原価割合など)から判断します。

その上で相見積などで業者を牽制して、極力安い価格で仕入れる努力をします。

 

計画性をもってやるに越したことないですが、どうしても急ぎになってしなうケースは多々あります。その場合でも、社内ルール上相見積もりがなければ、購入しないと毅然とした対応をするというようなものにしておいた方がいいでしょう。

 

要因の3つ目は、そもそも商品価格に対して材料費率が高いことです。

 

業界によって相場というものがありますから、該当する業種でどれくらいの材料比率が一般的なのかを知ることが大事です。大きくズレているなら、商品価格を上げるなどをしたほうがいいでしょう。

人件費

ベンチャー企業では、人海戦術で業務をこなしているケースがよくあります。

 

会社にそもそもお金がないので、効率化をするためのITなどに投入する費用が捻出できないというのが理由です。ITへの投資は高額ですし、一度に発生する費用ですから、簡単に決断ができないのも無理はありません。

 

しかし、それがかえって費用を膨らませている原因になっている場合があります。目先の費用に憂うのではなく、将来の費用も含めた視点で評価し判断するようにしましょう。補助金などを積極的に活用するといいと思います。

 

また、ベンチャー企業は、人材を募集しても、簡単には集まらないので、人材紹介会社などに頼ることが多いです。しかし、人材紹介会社とっては、紹介して収益を得ることを目的としているので、会社に合うかどうかは二の次になります。

 

数回の面接してやっと入社したけれど、少し経って『あれ?合ってないな』なんて気づくんです。もちろん当たりもあるけど、ハズレも多いです。合わない人はすぐ辞めていきます。なかなか人が増えません。

 

しかも、この人材紹介会社への手数料がバカにならないんです。一般的に紹介料は年収の30%程度かかります。人が増えないのに経費ばかりが嵩むんです。コスパがすごく悪いです。

 

特に、創業間もないベンチャー企業は、人材会社を使うことをお勧めしません。まずは、経営者や従業員の親戚や知人/友人に声をかけましょう。紹介料はほぼ”ゼロ”です。

 

紹介者は社内のことを知っているし、紹介する責任もあるので、大きくハズレそうな人は紹介しません。紹介して入社した人も、紹介者に迷惑をかけるといけないから、いい加減な仕事はしません。全員が当たりということはないにしても、紹介会社に比べると断然コスパはいいと思います。

広告宣伝費

お客さんが一般消費者の場合、会社を商品/サービスを知ってもらわなければ、売り上げに繋がりません。ですから、広告費は必要な経費です。

 

しかし使い方を間違えると、会社にとって大きな負担となります。

 

広告には、大きく3つのメディアがあります。

 

ペイドメディア:商品を宣伝するための広告枠をもつメディア。新聞・雑誌・テレビ・ラジオや、リスティング広告枠のあるウェブサイトなど

オウンドペディア:企業が消費者に向けて発信するメディア。自社発行の広報誌やパンフレット、インターネットの自社サイトなど。自社メディア

アーンドメディア:商品やサービスを広告としてではなく、口コミで紹介するブログやSNSのこと

各業界によって広告費率に特徴があり、例えば、

 

・飲食業5%
・教育産業3%
・サービス業15〜20%

 

となっていますが、これは安定した企業の話で、ベンチャー企業は、参考すべきではありません。

 

新聞・雑誌・テレビ・ラジオなどのペイドメディアの広告枠を使って、広告するのが一般的ですが、効果的な広告を打つには、かなり高額が必要ですので、ベンチャー企業には負担になります。最近ではSNSの普及により、無料で広告が打てるようになってます。

 

広がりだけを比較したら、ぺイドメディアよりもアーンドメディアのほうが早いとも言われてます。そう考えると、ベンチャー企業が初めに広告するなら、アーンドメディアを使うのがいいでしょう。

 

そしてそこそこ市場に認知され始めたら、ペイドメディアで小さくテストしながら、費用対効果をみて、ペイドメディアで広告するかどうか判断するといいと思います。

地代家賃

地代家賃がやっかいなのは、会社の経費全体に占める割合が非常に大きく、一度賃貸借契約を結ぶと解約しない限り、毎月必ず計上される費用なことです。また、削ろうと思っても、すぐにはできません。契約にもよりますが、退居する6ヶ月前に知らせなければいけなかったりします。

 

また費用面でも、退居時は原状回復(入居前の状態にもどずこと)必要だったり、引っ越し費用や引っ越し先の準備費用などが必要になります。

 

立地で、信用度が上がったり、採用が好転したり、メリットもありますが、ベンチャーのうちは、特に無理な家賃は避けるべきです。

1ヶ月の家賃は、3日分の売上が適正だと言われ、売上の約10%が適正家賃となります。そのラインを強く守った方がいいです。

まとめ

今回は、”経費の無駄遣いをしないために考えること”をテーマに、

 

・どの経費をどうみればいいのか?
・各経費が膨らむ要因と対策

 

について話をしました。

 

これらを知ることで、どの経費に気をつければいいか?どのようにすればいいのか?がわかったと思います。経費の削減ポイントがもわかり、その削減できた費用を有効に使うことができるようになるでしょう。

 

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wrote by ひさつぐ
(本名:丹田 久嗣(たんだ ひさし))

職業  :経営コンサルタント

業務内容:資金調達、上場準備、社外CFO、その他経営コンサル

活動地域:大阪、京都、滋賀、その他(要相談)

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