【インセンティブ設計】持株会の基礎を学ぶ

ベンチャー企業の社長であるあなたは、持株会というのをご存知でしょうか?

 

自社の株式を購入できるという点では、ストックオプションに似ていますが、ストックオプションが、あらかじめ定められた価格で、自社株を取得できる権利であるのに対し、

 

持株会は、社員の給与や賞与から一定の金額を天引きして集めた資金で、実際に自社株を共同で購入するものです。

 

上場企業や上場を目指すベンチャー企業で、多く導入されています。

 

特に、上場を目指すベンチャー企業にとっては、ストックオプションと同様、優秀な人材を確保することや社員のモチベーション向上に有効です。

 

しかし、あまり深く考えずに、安易に導入すべきではありません。デメリットや課題を理解して運用しないと、のちにトラブルになりかねまません。

 

持株会のメリットとデメリットを理解し、持株会運営において気をつけるべきことをしっかりとわかっていた方がいいです。

 

 

今回は、”持株会の基礎を学ぶ”をテーマに話をします。今回の話では、

 

・会社から見た時の持株会
・社員から見た時の持株会
・持株会を作る
・持株会あるある

 

について話をします。

 

これらを知ることで、持株会の基礎を知ることができます。この基礎を理解することができれば、不要なトラブルを避け、有効な持株会の運営ができます。

 

ベンチャー企業にとって、ベストな持株会の運営ができるようになります。

 

会社から見た時の持株会

 

会社から見たメリットは、大きく分けて3つあります。

 

1つ目は、”持株会は安定株主”です。

 

会社経営において、安定的な運営を行うためには、株主構成が重要になります。経営陣が掲げる経営方針に対して、株主構成によっては、否決されることがあるんです。

 

そうならないように、経営陣と安定株主を合わせた持株比率が2/3以上、少なくとも1/2以上を確保することが重要になります。

 

持株会は自社で、働いている社員で構成されているので、自社の経営方針におおむね賛同している株主だと言えます。

 

2つ目は、”社員のモチベーションアップ”です。

 

業績が向上して、自社株の価値や配当が上がれば、株主である社員に還元できます。社員の仕事に対するモチベーションアップや経営参加の意識の向上が期待できます。

 

3つ目は、”福利厚生の一環”です。

 

社員の長期的な財産形成をサポートできます。福利厚生の一環として、機能させていくことができます。

 

会社から見たデメリットは、業績悪化などで株式が下落したり、配当が維持できなくなったりした場合に、社員のモチベーションが低下してしまうことです。

 

社員から見た時の持株会

 

社員から見たメリットは、主なものに2つあります。

 

1つ目は、”大きなリターンが期待できる”です。会社が上場すれば、会社の株価が上がり、利益を享受できます。

 

2つ目は、”安価に自社株を購入できる”です。

 

持株会を運営するとき、ほとんどの会社が奨励金を支給するように設計しています。社員が毎月積み立てる金額に対して、10%程度の金額を会社が奨励金として支給するんです。

 

奨励金の意味合いは、持株会への加入促進”です。

 

いくらの奨励金を会社が負担するかは、設計次第ではありますが、これによって、通常取得する価格よりも安価で自社株が買えることになります。

 

一方、社員から見たデメリットは概ね2つです。

 

1つ目は、”損失が出る可能性がある”です。会社の業績が悪くなったり、最悪のケース倒産ということになると、リターンがない、あるいは損失が出る可能性があります。これは、一般的な株式投資と同じです。

 

2つ目は、”投資資金が簡単に引き出せない”です。社員が積み立てた金は、ベンチャー企業のような会社が非上場である間、原則的には、退会するまで引出しができません。

 

持株会を作る

 

持株会を設立にあたって、決めなくてはならない項目は、主に5つあります。

 

まず1つ目は、”持株会の株式保有比率”です。安定株主確保の視点も考慮し、株式保有率を決めます。数%が一般的です。

 

2つ目に”社員からの出資金の拠出をどうするか”です。例えば、給与から天引きする定時拠出、社員の手持ち資金からの拠出、またはこれらの併用があります。一般には、給与から天引きする拠出が多いです。

 

3つ目は、”奨励金の支給”です。支給するのか?支給するなら金額をどのくらいに設定するかを検討します。

 

4つ目に、”運営管理”です。持株会の運営管理を自社に置くか、または外部に委託するかを検討します。ベンチャー企業では、自社に置くのが多いでしょう。

 

5つ目に、”規約の策定”です。持株会の規約について定めます。

 

これらが決まったたら、持株会の設立になります。設立に際して、監督官庁への届出は要りませんが、

 

・理事長など役員の選出
・会社との契約
・口座開設

 

など、細かな事務手続きがあり、設立して初回の拠出までに、2,3ヶ月かかります。

 

持株会設立については、口座を開く証券会社に相談すれば、丁寧に教えてくれますので、彼らを頼るといいでしょう。

 

持株会あるある

 

会社の業績が順調な場合は、不満やトラブルはまず発生しません。

 

しかし翻って、業績が悪化に転じた時、いろいろな不満が噴出し、トラブルに発展します。

 

これらのトラブル回避のためにも、規約をしっかり作り込んでおくことや社員への説明は怠らないようにしておかないといけません。

 

以下に、私が前職で実際に経験した3つのことを例に挙げます。

 

まず1つ目は、”持株会を理解できていない社員が一定数いる”ということです。

 

持株会設立時や社員への入会勧誘時に、どんなに説明をしていても、『聞いていない』とか、『騙された』とか言ってくる社員がいます。これを”ゼロ”にすることはできません。極力する少なくする術としては、頻度高く説明し続けることしかありません。

 

2つ目は、”社員間で情報の偏りが出てしまう”です。

 

経営側に近しく仕事をする社員は、会社の状況を感度よく知ることができますが、子会社の社員や営業マンや工場で働く社員などは、情報をタイムリーに知ることが難しいです。

 

会社の業績が悪くなった時、どうしても経営側に近しく仕事をする社員から先に退会する傾向にあります。これら情報格差を少なくするには、定期的に会社の状況を社員に報告する場を設けることです。

 

3つ目は、”業績が悪化したらクレームが増える”です。

 

その後、業績が持ち直せばいいんですが、さらに進んで、持株会の拠出金が不足し、退会者への払い戻りができなかったり、倒産して株式が紙切れになったりする場合があります。

 

そうなっては、いくら社員からクレームを受けてもどうしようもありません。リスクも含めて、頻度高く説明し続けることが大事です。

 

まとめ

 

今回は、”持株会の基礎を学ぶ”をテーマに話をしました。

 

今回の話をまとめると、会社から見たメリットは、

 

・持株会は安定株主
・社員のモチベーションアップ
・福利厚生の一環

 

です。会社から見たデメリットは、”業績悪化したときに、社員のモチベーションが低下する”です。

 

社員から見たメリットは、

 

大きなリターンが期待できる
安価に自社株を購入できる

 

です。社員から見たデメリットは、

・損失が出る可能性がある
・投資資金が簡単に引き出せない

 

です。

 

持株会を設立する前に、決めなくてはならない項目は、

 

持株会の株式保有比率
・社員からの出資金の拠出をどうするか
・奨励金の支給
・運営管理
・規約の策定

 

です。設立して初回の拠出までに、2,3ヶ月かかります。

 

持株会設立については、口座を開く証券会社に相談すればいいでしょう。

 

会社の業績が順調な場合は、不満やトラブルはまず発生しませんが、業績が悪化に転じた時、いろいろな不満が噴出し、トラブルに発展します。

 

これらのトラブル回避のためにも、規約をしっかり作り込んでおくことや社員への説明は怠らないようにしておかないといけません。

 

これらを知ることで、持株会の基礎を知ることができたでしょう。この基礎を理解するで、不要なトラブルを避け、有効な持株会の運営ができ、ベンチャー企業にとって、ベストな持株会の運営ができるようになります

 

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最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。

いかがだったでしょうか。

 

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wrote by ひさつぐ
(本名:丹田 久嗣(たんだ ひさし))

職業  :経営コンサルタント

業務内容:資金調達、上場準備、社外CFO、その他経営コンサル

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