【上場準備】陥りやすい3つの落とし穴

陥りやすい3つの落とし穴

 

資金調達の方法の一つとして、ベンチャーキャピタル(VC)等の投資家からの出資があります。

 

基本的には、投資家からの出資を受け入れる際には出口として、上場(IPO)もしくは事業売却(M&A)を考えなければなりません。

 

なぜなら、ほとんどの投資家は、出資した時の株価よりも、高い株価で株式を売却し、利益を得ること(キャピタルゲイン)を目的としているからです。

 

ですから、企業側は、上場(IPO)などで、投資家の期待に応えようと、高い株価をつけようと努力します。

 

しかし、世の中にない新商品やサービスを開発しているベンチャー企業は、計画通りに事業が進まないことがよくあります。

 

予定通りに商品やサービスを販売できないケースが起こります。

 

想定していた株価にすることができず、投資家と約束していた上場(IPO)時期を見直さなければならなくなることがあります。

そうすると、投資家からのプレッシャーは日に日に増してきて、経営者は、どんどん追い込まれ、焦り始めても不思議ではありません。

 

すると、判断が鈍り、間違いを起こしやすくなります。

 

さらに開発が進まなくなります。取引先との交渉がうまくいきません。社員の離職が増えます。すべてが噛み合わなくなっていきます。

 

最悪のケースでは、上場どころか倒産ということもあり得るのです。

 

『こんなはずじゃなかったのに...』

 

歯車が狂い始めるとなかなか元には戻せませんので、そうならないためにどうすればいいのか?は、考えておいたほうがよさそうです。

 

今回は、”陥りやすい3つの落とし穴”をテーマに、

 

・いつの間にか上場が目的になってしまう

・お金は簡単に集まるという勘違い

・他人を頼りすぎるようになる

 

について話をします。

 

最後まで読んでいただくと、陥りがちな落とし穴には、どんなものがあるのがわかり、それらに、はまらないようにするには、
どうすればいいかがわかります。

 

そうすればきっと、周りに惑わされることなく、地に足をつけて経営できることでしょう。

もくじ

いつの間にか上場が目的になってしまう

投資家は、その会社に期待をして、お金を投じてくれます。

 

ある面では、一番の味方であり協力者ですが、その反面厳しさも兼ね備えています。

 

投資家たちは、キャピタルゲインで利益を得ることを目的としていることが多いので、株価が下がったり、上場時期が遅れたりすると、厳しく問われます。

 

また投資家たちだけでなくその他関係者、

 

・証券会社
・監査法人
・外部支援機関
・従業員

 

などからもプレシャーを受けます。

 

創業当初は大志を抱いていた創業者は、そんなプレッシャーの中で、関係者の期待に応えたいと強く思うようになり、大志よりも上場を優先するようになっても不思議ではありません。

 

そうならないためにも、大志を軸に強く持ち、ブレないように気をつけたほうがいいです。上場はあくまでも大志を達成するための手段に過ぎません。

 

状況によっては、上場延期や他方法の模索も考えるなど、上場ありき思考に陥らないようにしましょう。

お金は簡単に集まるという勘違い

VCなどの投資家からの初めての出資はたいへん苦労します。思った通りの金額でなかったり、時期が大幅にずれ込んだりします。

 

私の前職でも、初めの資金調達が実行できたのは、資金調達を始めてから1年半後でした。予定から6ヶ月以上も遅れました。

 

やっと資金調達できた時は、ものすごく嬉しかったです。社長と担当者と私と3人で、お祝いをしたのを覚えています。

 

資金調達が終わって事業が動き始めると、ベンチャー界隈で、注目されるようになります。

 

次の資金調達に向けて、新たなVCや投資家が集まり、さらには証券会社、監査法人、銀行や行政なども寄ってきます。

 

彼らからおだてられ、いつの間にか有頂天になって、資金は簡単に集められると、勘違いをしても不思議ではありません。

 

しかし世の中は、そんなに甘くありません。いざ資金調達を始めると厳しい現実が突きつけられます。

 

謙虚な気持ちを忘れてはいけません。

 

資金調達はどんな時も、たいへんであること理解して、早めはやめの対応を心がけるようにしてください。

他人を頼りすぎるようになる

外部の評価が高くなっていくと、外部の評価と実体との間に、乖離が生じてきます。

 

ベンチャー企業は、会社として発展途上な場合が多く、

 

・経営管理体制
・資金面
・技術面
・人材面

 

などで、いろんな課題を持っています。

 

会社は日々、改善し進化し続けていきますが、外部評価と実体は、合っていないケースが多いです。

 

ある程度は仕方ないことですし、その乖離があるからこそ、会社は努力し成長していくのも事実です。

 

しかし、乖離が過ぎると危険です。

 

外部の評価が一人歩きし、追いつこうにも、追いつけない状況になります。

 

さらにそこで、ブレーキを踏めればいいのですが、踏むことを躊躇してしまい、大きなズレを埋めるために、他者、例えば、投資家や協力会社に依存するようになると、極めて危険です。

 

 

他者に支えてもらえているうちいいですが、支えてもらえなくなったら、もう転ぶしかありません。

 

転んだら助けてもらえる人はいません。世間は非情なものなんです。自分で立ち上がれなければ終わりです。

 

そうならないためにも、外部の評価に踊らされることなく、時には外部評価に、ブレーキをかけるなど自制をして、どんな状況にあっても、自立できるようにしておきましょう。

まとめ

 

今回は、”陥りやすい3つの落とし穴”をテーマに、

 

・いつの間にか上場が目的になってしまう

・お金は簡単に集まるという勘違い

・他人を頼りすぎるようになる

 

について話をしました。

 

これらは、上場を目指す会社の経営者が、つい陥りがちな落とし穴です。

 

常に意識してはまらないように気をつけてください。

 

これらを意識しているだけでも、ぜんぜん違います。

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wrote by ひさつぐ
(本名:丹田 久嗣(たんだ ひさし))

職業  :経営コンサルタント

業務内容:資金調達、上場準備、社外CFO、その他経営コンサル

活動地域:大阪、京都、滋賀、その他(要相談)

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