【上場準備】上場準備で大事なポイント1/3-経理業務

上場準備で大事なポイント1/3-経理業務

 

前回の話では、上場準備に入る前に考えること4/4として、我が社は上場すべきか?を考える”をテーマに、

 

・なぜ上場したいと思うのか?
・なぜ上場したくないと思うのか?
・我が社は上場するべきか?
・こんな経営者は気をつけた方がいい

 

を順番に解説しました。

 

『早く会社を大きくしたい』という気持ちが、『やりたいように経営がしたい』気持ちを上回るようなら、上場を目指すべきであり、

 

創業者利益を優先していたり、上場をゴールだと勘違いしていたりすると、上場がうまくいかなくなる可能性があるから気をつけたほうがいいということをお伝えしました。

 

 

【上場準備】上場準備に入る前に考えること4/4

 

これらを踏まえて、やはり、『上場したい』という気持ちを強くした経営者の方も多いと思いますが、上場準備を始める前にもう一つ知っておいたほうがいいことがあります。

今回はまず、上場準備で大事なポイント1/3として、経理業務をテーマに話をします。今回の話では、

 

・非上場企業と上場企業との経理業務は違う
・経理業務に疎い経営者が多い
・合ったマネージャーを早く見つける

 

を順番に解説していきます。

 

れらを理解することで、経理業務がどれだけ大事か、上場準備において最も重要な項目の一つであることが、理解できるようになり、スムーズに上場準備を進めることができるようになります。

もくじ

非上場企業と上場企業との経理業務は違う

非上場企業における経理業務は、ほとんどの場合、税務会計に重きが置かれています。税務会計とは、国や地方自治体に税務申告するために行う会計です。非上場企業は税金さえ、正しく支払えていれば問題ありません。

 

しかし、上場企業は違います。

 

上場企業の経理業務は、財務会計が重視されています。財務会計とは、株主などの利害関係者に対し、財務状態・経営成績を正しく報告することを目的とした会計です。

 

税務会計ではない処理が、財務会計では求められます。非上場企業には必要のない、有価証券報告書の提出や四半期報告書の開示が求められます。月次決算も一般的に行われています。

 

その結果、経理マンの業務量は、非上場企業と上場企業で全然違います。また、必要な知識が全く異なります。

経理業務に疎い経営者が多い

営業や研究開発出身の経営者は、事業に関しては知識が豊富であるものの、経理業務に疎い場合が多く、ただ数値をまとめているだけだと、軽視する場合も少なくありません。

 

ましてや、非上場企業と上場企業の会計基準の違いなど知る由もありません。

 

そのような経営者は決まって、会計基準が違うと知ったとしても、経理マンであれば、誰でも対応できると勘違いしがちです。

 

しかし、非上場企業がよく採用している税務会計の知識では、財務会計に、太刀打ちできません。非上場企業でしか経験のない経理マンでは、上場企業に求められる、監査法人が認める決算はできないんです。

 

ほとんどのベンチャー企業は、ここでつまずきます。

 

私の前職でも多分に漏れず、大きくつまずきました。もっとも私自身が、経理業務に疎かったからではありますが。経理業務を馬鹿にしてはいけないんです。

合ったマネージャーを早く見つける

『餅は餅屋。餅は餅屋がついたのが一番うまい』

 

当たり前の話です。うまい餅をつく餅屋を知らなければ、うまい餅にはありつけません。

 

それと同じように、財務会計に明るい経理マンが経理部門にいると捗ります。しかし、非上場企業と上場企業の経理業務の違いを知らないとわかりません。経理業務に疎いと気づきません。

 

もし、経理業務に対して、知識が足らないと思うなら、専門家に相談しましょう。教えてもらうようにしましょう。

 

ここでキーとなるのは、経理部門のマネージャーです。

 

餅屋のレベルが、そこの大将のスキルで決まるのと同じように、経理部門のマネージャー次第で、経理部門のパフォーマンスが決まります。

 

金商法や会社法を理解し、監査基準など最新情報を熟知していて、監査法人とのコミュニケーションが取れ、スケジュール管理や部員のマネージメントができる人が好ましいです。

 

重要な業務を行うメンバーには、金商法や会社法を理解しておいて欲しいところですが、経理業務には、ファイリングなど雑用も含め、様々な業務がありますから、メンバー全員が、金商法や会社法を理解してないとダメということはありません。

 

マネージャーを中心に、経理部門を作ることが重要なんです。

まとめ

今回は、上場準備で大事なポイント1/3として、経理業務をテーマに、

 

・非上場企業と上場企業との経理業務は違う
・経理業務に疎い経営者が多い
・合ったマネージャーを早く見つける

 

について話をしました。今回の話をまとめると、

 

非上場企業と上場企業の経理業務は、まったく違うということ、経営者は経理業務を甘く見ないほうがいいということ、そしてできるだけ早く、合った経理部門マネージャーを見つけることが大事だということでした。

 

これらを理解することで、経理業務がどれだけ大事か、上場準備において、最も重要な項目の一つであると、理解できたでしょう。

 

これでスムーズに、上場準備を進めることができるようになるに違いありません。

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wrote by ひさつぐ
(本名:丹田 久嗣(たんだ ひさし))

職業  :経営コンサルタント

業務内容:資金調達、上場準備、社外CFO、その他経営コンサル

活動地域:大阪、京都、滋賀、その他(要相談)

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