【上場準備】上場準備で大事なポイント3/3-予実管理
もくじ
上場準備で大事なポイント3/3-予実管理
前回は、上場準備で大事なことの2つ目、”上場準備で大事なポイント2/3-労務管理”をテーマに話をしました。
前回の話は、ベンチャー企業では、必ずと言っていいほど、未払残業代が発見されるという話をしました。
そして発見された未払残業代は、会社都合で取り決めた社内規則は通用せず、絶対に支払わなければならないということをお伝えしました。
さらには、労務管理のポイントとしては、法令を遵守し正しく運用することと、社員の労働時間を正しく把握し、記録を残すことだということでした。
これらを理解することで、労務管理についてどう考え、どうすればいいか?がわかったと思います。
未払残業代は業績インパクトも大きいので、早めの対応をすることで、上場準備はスムーズに進めるれるようになると思います。
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今回は、上場準備で大事なことの最後の3つ目、”上場準備で大事なポイント3/3-予実管理”をテーマに話をします。今回の話では、
・なぜ予実管理が必要なのか?
・予実管理で求められるものは?
・予実管理のポイントは何か?
を順番に解説していきます。これらを理解することで、予実管理の何が難しいのか?どのようにすればいいのか?がわかります。
予実管理は一足飛びにうまくいくものではありませんので、少しずつ知識と能力を上げて、しっかりと、管理できるようにしていきましょう。
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なぜ予実管理が必要なのか?
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予実管理とは、予算に対して、実績の達成状況がどうなのか?を確認することです。
東証グロース市場の上場審査の中で、”事業計画の合理性”に関する審査があります。この項目において、チェックされるのが予実管理です。
上場企業は、事業計画や業績予想を開示する必要があります。これらの情報は、投資家が投資判断をする上で、非常に重要だからです。
数年前に、上場申請時には黒字予想だった企業が、上場後わずか数カ月で、大幅な下方修正する事例が頻発しました。そのことを受けて、近年では、予実管理が上場審査において、特に重要視されるようになっています。
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予実管理で求められるものは?
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上場を目指す会社は通常、年度予算を月次で1年分作成して、年度開始前に取締役会で、承認決議をします。
そして月次で、予算と実績の対比を行うのですが、予算と実績が大きく乖離しないことが求められています。
もし万が一、乖離が大きくなった場合は、差異発生要因を分析し、改善策を検討し、実施しなければいけないんです。
売上高は±10%、利益は±30%を超える乖離が発生した場合、原因と改善策と修正後の予算を速やかに開示することが求められます。
上場会社は、予算統制・開示業務を想定し、管理体制の整備をすることで、”事業計画の合理性”を高めることが求められるので、上場準備会社においても、上場企業と同水準の管理が求められます。
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予算管理のポイントは何か?
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データ分析をする
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事業がスタートしたばかりだと、立てた予算通りに進むことはまずありません。思う通りに進まなかったり、想定外なことが起こったりして、予算を大幅に外してしまうことはよくあります。
やったことないんだから、ズレても仕方ありません。そんなことは、気にしなくていいんです。初めのうちは。
しかしいつまでもそういうわけにはいきません。開き直るのはダメです。売上が出始めると、いろいろなデータが取れてきます。例えば、
・電話件数
・訪問件数
・受注件数
など、これらのデータを蓄積し、あらゆる角度から分析して、どの項目を変えると、売上が変わるのか?売上に対して、感度がいい項目は何か?を探し当てて、それを元に、予算精度をどんどん上げていくんです。
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社内外で予算を使い分ける
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予算は年度開始前に、取締役会で承認決議をします。売上高は±10%、利益は±30%を超える乖離が発生した場合、原因と改善策と修正後の予算を速やかに開示することが求められます。
『ズレたら予算の修正を行えばいい』とも思えますが、毎月開かれる取締役会で、予算の修正をしていたのでは、”事業計画の合理性”を疑われますから、できるだけ修正をしない方がいいです。
ではどうすればいいのか?
それは、予算を2つ以上作ることです。ベストケースとワーストケースを作って、ワーストケースを取締役会で承認決議し、社内での進捗管理や運用では、ベストケースの予算を用いるといいんです。
一方で、予算の二重管理は、『管理が煩雑になる』という問題点がありますので、よく注意をして進めて行ったほうがいいと思います。
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まとめ
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今回は、上場準備で大事なことの最後の3つ目、”上場準備で大事なポイント3/3-予実管理”をテーマに、
・なぜ予実管理が必要なのか?
・予実管理で求められるものは?
・予実管理のポイントは何か?
を話しました。今回の話をまとめると、
なぜ予実管理が必要なのか?というと、上場審査の中で、”事業計画の合理性”に関する審査でチェックされるからです。
予実管理では、予算と実績が大きく乖離しないことが求められ、売上高は±10%、利益は±30%を超える乖離が発生した場合、原因と改善策と修正後の予算を速やかに開示することが求められます。
予実管理のポイントは、データをあらゆる角度から分析することと、2つ以上の予算を作るなどして、社内外で予算を使い分けることです。
予実管理の何が難しいのか?どのようにすればいいのか?がわかったでしょう。これでもう上場準備は大丈夫です。
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wrote by ひさつぐ
(本名:丹田 久嗣(たんだ ひさし))
職業 :経営コンサルタント
業務内容:資金調達、上場準備、社外CFO、その他経営コンサル
活動地域:大阪、京都、滋賀、その他(要相談)
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