【基礎知識】ストックオプションを使いこなす1/2

ストックオプション(以下SOをいう)とは、会社の役員や社員が、あらかじめ定められた価格で、自社株を取得できる権利のことをいいます。

 

前回では、”ストックオプションの基礎を学ぶ”をテーマに

 

・無償SOをまず理解するといい
・税制非適格SOと税制適格SO
・SOの付与プロセス
・その他のSOの種類

 

について話をしました。

 

SOはいくつか種類があって、初めにSOを理解するには、無償SOを学べばよく、税制非適格SOと税制適格SOでは、税制適格SOのほうが得であること、5つのプロセスを経ることで、SOは付与できると説明しました。

 

また無償SOを理解できたら、次に有償SOと信託型SOを知っておくといいということをお伝えしました。

 

れらできっとあなたは、ストックオプションの基礎を知ることができたと思います。

【基礎知識】ストックオプションの基礎を学ぶ

 

そして同時に、『じゃあ次にSOを発行するにあたり、どのように考えて進めていけばいいのか?』と気になったのではないでしょうか?

 

特に初めてSOを発行する時は、まだ社内の理解レベルは低く、何をどう考えればいいのか?わかりません。

 

わからないまま進めると、失敗したり、後悔したりしますですから、しっかりと理解してから、SOを発行したいと思うでしょう。

 

 

そこで今回は、”ストックオプションを使いこなす1/2-初めて無償SOを発行するテーマに話をします。

 

今回の話では、初めて無償SOを発行する際に、実務で考えるべきこととして、

 

・実現したいことと避けたいことは何か?
・SO総数を決める
・誰に何個割当てるか?
・SO行使条件を設定する

 

を順に解説していきます。これらを理解することで、自社に合ったSOを設計できるようになるでしょう。後悔するようなことも少なくなるに違いありません。

 

 

実現したいことと避けたいことは何か?

 

闇雲にSOを設計してはいけません。しっかり考えておかないと失敗します。

 

SOを発行することによって、何がしたいのでしょうか?SOで実現したいことの例としては、

 

・報酬制度の一環として導入する
・社員のモチベーションの
・維持
/向上させる
・現在の報酬制度では
・採用できない人材を確保する

 

などが挙げられると思います。

 

SOは、コストを人件費にあまり費やせない、ベンチャー企業にとっては、夢のような仕組みです。

 

経営者が、苦楽を共にした社員たちに報いたいと思うのは当然です。

 

またSOで避けたいこととしては、デメリットでもよく取り上げられますが、

 

不公平感による社員のモラルの低下
・SO権利行使後に社員が離れる

 

などがあると思います。

 

SOを発行したことによって、モラルが低下したり、上場したと同時に、優秀な人材が流出してしまうことは、避けたいと思うでしょう。

 

これらは、このあとに考える、誰に何個割り当てていくのか?やSO行使条件を決めるにあたって、基本的な考えにもなってきますから、しっかりと考えておきましょう。

 

 

SO総数を決める

 

経営者が、苦楽を共にした社員たちに報いたいと思うのは当然です。『たくさん出してあげたい』と思うでしょう。

 

ではSOはどれくらいの割合で、出せばいいのでしょうか?上場を目指している会社の場合、発行株式総数(発行済とSOを合わせて)の10%程度に抑える傾向があります。

 

決まったルールがあるわけではありませんが、既存株主が株式の希薄化を嫌ったり(株式価値の低下)、上場審査が通りにくくなったりするためです。

 

ですから、上場時に発行されているであろう株式数を想定して、SOの総数は、10%を目安に設定するのがいいでしょう。

 

また設定したSO数は、一度に発行するのではなく、上場まで数回に分けて、発行する場合が多いです。

 

なぜならベンチャー企業のような会社は、急速な成長で、新たな人材が増えていきますし、流動性も一般的な会社に比べて大きいので、SOの恩恵を受けられない社員が出てきてしまうためです。

 

さらにSOを発行するタイミングとしては、会社の価値算定ができていることが必要になるので、例えば、近いタイミングで、外部からの資金調達(第三者による増資)に合わせるということが多いです。

 

ですから、SOの発行は計画をしておく、第三者割当増資と合わせて、資本政策に盛り込むといいでしょう。

【資金調達】資本政策はどうやって作るの?

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誰に何個割当てるか?

SOは上場まで数回に分けて、発行する場合が多いです。SOを発行するごとに、誰に何個割当てるのか?という問題に直面します。

 

経営者のさじ加減で、個数を決めてしまうと、必ずと言っていいほど、『不公平だ!』などの不平や不満が出てきます。

 

最悪の場合、社員のモチベーションを上げるために発行したにもかかわらず、逆にモチベーションを下げてしまうことになりかねません。

 

 

それを避けるためにも、公平な算定根拠に基づいて、各々に割り当てる個数を決める必要があります。

 

まずは、誰に付与するか?です。

 

全社員にするのか?ある一定役職以上にするのか?などを考える必要がありますが、どちらが正しいということはありません。経営者の考え次第になります。

 

次に何個割当てるか?です。例えば、

 

・役職
・勤務年数
・貢献度

 

などを考慮して決めていきます。役職と勤務年数は、計算式を作れば自動的に算出できます。

 

貢献度は定性的な場合が多いので、経営者だけで決めるのではなく、役職者の意見を参考にするといいでしょう。

 

これらの算定根拠は、誰が見ても妥当なものにして、社員から求められたら、開示できるようにしておくと、さらにいいでしょう。

 

 

SO行使条件を設定する

 

行使期間の設定については、会社法上制限はありませんが、税制適格要件を満たそうとすると、行使できる期間は、付与決議日後2年経過した日から、10年を経過する日までの期間となるように、制限を設けなければいけません。

 

そして、設定した行使期間だからといって、SOを行使した後に取得した株式をすべて売却して退職されてしまうと、優秀な人材が流出してしまうので、そういうことを避けたい場合は、行使期間であっても、SO行使に制限をかけたほうがいいです。

 

例えば、行使期間の最初の1年間は、20%までしか行使できないなどにしておくと、社員の退職を防ぐことができます。

 

そのほか、税制適格の要件を満たすためには、譲渡を禁止する必要がありますし、退職するとSOの権利を喪失させるとか、上場するまで行使できないとか、も考えられると思います。

 

これらの条件は、新株予約権割当契約書に落とし込んで、会社と対象者の間で、契約するのがいいでしょう。

 

のちのちのトラブルを避けるためにも、契約書の内容は、専門家のサポートを受けることをお勧めします。

 

 

まとめ

 

今回は、”ストックオプションを使いこなす1/2-初めて無償SOを発行するをテーマに話をしました。今回の話をまとめると、

 

実現したいことと避けたいことは何か?を決め、SO総数を決めた上で、各SO発行時に、誰に何個割当てるか?を決めて、SO行使条件を新株予約権割当契約書に落とし込んで、会社と対象者の間で締結する、ということでした。

 

これで初めてSO発行する時に、やるべきことがイメージできたと思います。これらを理解することで、自社に合ったSOを設計できるようになるでしょう。後悔するようなことも、少なくなるに違いありません。

 

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wrote by ひさつぐ
(本名:丹田 久嗣(たんだ ひさし))

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