【プレゼン】ピッチってなに?

ピッチってなに?

 

ベンチャー/スタートアップ界隈では、ベンチャー企業やスタートアップ企業の第三者割当による資金調達を目的として、オンラインやオフラインにて、投資家に対して、プレゼンテーションがよく行われます。

 

プレゼンテーションの時間は、聞き手の人数、場所、タイミング、目的によってさまざまですが、初めて会う相手や不特定多数の人に向けて行われるプレゼンテーションのことを ”ピッチ” と言われています。

 

”ピッチ”は、時間としては、約10分以内と比較的短いプレゼンテーションのことを指すことが多く、

 

その目的は、投資を受けることや、将来投資をしてくれる投資家とのコネクションを作ることであったり、ビジネスに有益なコネクションやチャンスを得ようとすることであったりします。

 

すなわち、”ピッチ”は、短時間で、簡潔にビジネスを紹介し、いかに投資家に興味を持ってもらうかが大事なんですね。

 

 

今回は、”ピッチってなに?”をテーマに、

 

・ピッチの種類

・各種ピッチの内容を考える

・ピッチイベントで審査員はどこをみているのか?

という話をします。

 

投資家に興味を持ってもらって、投資やその他サポートを受けて、アイデアの実現、事業の推進を進めていきましょう。

 

もくじ

ピッチの種類

 

インベスターピッチ

 

インベスターピッチは、30分程度のまとまった時間をもらって投資家に行うものです。

 

エレベーターピッチやコンテストピッチ等で興味を持った投資家に対して、出資検討を目的として、踏み込んだ詳細内容をプレゼンするときに行いますので、事業計画はしっかりと作り込んでおく必要があります。

 

ですから作り込む順番としては、事業計画が一番初めになります。事業計画をプレゼン形式に落とし込んだものがインベスターピッチになると言っていいと思います。

 

 

コンテストピッチ

 

コンテストピッチは、コンテストなどのイベントで起業家が投資家などの審査員に対して事業をプレゼンテーションするものです。

 

プレゼンテーションでは、資料は約10枚、時間は数分程度です。

 

イベントによっては、優秀な起業家は、賞金がもらえたり、投資家からのメンタリングなどが受けられたり、出資検討をしてもらたりするなどがあります。

 

 

エレベーターピッチ

 

エレベーターピッチとは、エレベーターが行先階に着くまで、30秒程度の間に自身の提案を強力に売り込むというものです。

 

アメリカのシリコンバレーが発祥だと言われています。

 

このエレベーターピッチでは、たった30秒程度の時間で、結論を出してもらうというものではなく、あくまでも次のプレゼンや面談に繋げるきっかけ作りと位置づけです。

 

 

ツイッターピッチ

 

ツイッターピッチとは、Twitterで事業を想像させるつぶやきを投稿して自社ビジネスに興味を示す投資家を募るものです。

 

ビジネスが一目でわかる、あるいはすぐイメージがつくようなキャッチコピーみたいなものです。

 

知名度会社やサービスを絡めて表現すると、効果的だと言われています。例えば、『◯◯界のアマゾン』だとか、『◯◯業のDX』だとかです。

 

 

各種ピッチの内容を考える

 

作り込む順番としては、事業計画→インベスターピッチ→コンテストピッチ→エレベーターピッチ→ツイッターピッチになると思います。

 

事業計画をしっかりと作り込んでおけば、プレゼンをする相手や時間、イベントなどでピッチをするのであればのイベントのテーマを考慮して、いろいろなバージョンを準備することができると思います。

 

ここでは、各種ピッチの内容についてのみの説明をしますが、プレゼンをする時の心構えや心がけるポイントについては、別記事を参考にしてください。

 

【プレゼン】プレゼンに挑むときの心構え

【プレゼン】心がける2つのポイントとやってはいけない3つのこと

 

事業計画

 

基本的な構成としては、ビジョン、会社概要、社長プロフィールとチーム、事業概要、課題と解決方法、ターゲット市場、事業戦略、タイムスケジュール、損益計画、資本政策などです。

 

これらを基軸に、相手によって、項目を追加したり、削除したり、順番を変えたりして、作り込んていくといいと思います。

 

 

事業計画の各項目の作り方については別記事で詳しく解説していますがのでそちらをご覧いただければと思います。

 

【資金調達】出資による資金調達のための事業計画

 

インベスターピッチ

 

インベスターピッチは、興味を持ってもらった投資家に対して、30分程度のまとまった時間をもらって行うもので、事業計画をプレゼン形式にそのまま取り込んだものを使います。

 

インベスターピッチは、出資検討のための一つの大きなイベントになりますから、十分に内容を練り込んで準備しておかなければいけません。

 

このときに注意しなければいけない点としては、プレゼンの時間と、”相手が何に興味があるのか?”をしっかりと確認をして、プレゼンの構成を見直しておく必要があります。

 

例えば、相手がベンチャーキャピタルであれば、投資額と上場後の株価の売買差益(キャピタルゲイン)を獲得することが目的ですし、大手の事業会社であれば事業シナジーが目的ですし、

 

またエンジェル投資家の中にはキャピタルゲインではなく応援を目的としている方もいるので、それぞれに合わせて、説明する内容や順番などをアレンジが必要になります。

 

また投資家の中には、自社の事業について詳しくない方もいたりするので、一般的で分かりやすい言葉を使うことが重要です。

 

 

コンテストピッチ

 

コンテストピッチは、コンテストなどのイベントで起業家が投資家などの審査員に対して事業をプレゼンするもので、時間は数分、長くても10分程度ですので、ポイントをグッと絞らなくてはいけません。

 

ただし、コンテストピッチでは、インベスターピッチのように出資を判断してもらうものではなく、出資検討にエントリーし、インベスターピッチのチャンスをもらうことが目的になります。

 

ですから、事業の詳細を述べることよりも、まずは投資家に興味を持ってもらえるよう、彼らのハートを掴むことが重要になります。

 

ただし、ピッチコンテストごとに審査基準が異なる場合がありますので、ピッチイベントの募集要項などをみておくことも大事です。

 

ポイントはずれなプレゼンテーションをしても興味を惹かれることはありませんし、『募集要項も見ていないのか!』 など、発表者の資質に問題があると判断されかねませんからね。

 

ちなみに、このピッチに必要な項目としては、

 

①問題とその解決方法
ターゲット市場
③事業戦略
④チーム

 

です。それぞれのポイントは、事業計画のそれらとほぼ同じです。

 

特に、③の事業戦略の”実績”の部分が大事です。実際に利用者数や売上が伸びているとか、PMFが達成できた、あるいは達成しそうだとか、具体的な実績をアピールできれば、非常にポイントが高くなると思います。

 

しかし、全てのケースにおいて実績があるとは限りませんよね。実績がなければどうするのか?

 

その場合は、事業そのものの魅力(技術的優位性や市場規模の大きさ)を、あるいはチーム編成やチームの過去実績で実行可能性をアピールします。

 

また、事業自身がまだアイデア段階で具体性が示せない場合は、壮大なビジョンを全面に押し出すなど、自社の状況に応じてプレゼンの内容を組み立てるようにしましょう。

 

 

エレベーターピッチ

 

エレベーターピッチは、30秒から1分程度の間に提案をするものですから、さらに絞り込んで考える必要があります。

 

このエレベーターピッチもコンテストピッチと同様に、たった30秒程度の時間で、結論を出してもらうというものではなく、あくまでも次のプレゼンや面談に繋げるきっかけ作りなので、『面白そう』と思われることが大事です。

 

このエレベータピッチは、シリコンバレーの起業家が、エレベーター内での数十秒間で投資家にビジネスプランをプレゼンテーションしたということが由来だと言われていますが、ここ日本においては、そのようなシチュエーションはなかなかないと思います。

 

しかし、このエレベーターピッチは、様々なビジネスシーン、例えば、名刺交換会や異業種交流会などでも応用できるんですね。

 

面識のない相手に対して、自分のこと、あるいは自社の事業を簡潔に伝えて、興味を持ってもらう必要があるという点においては、非常に共通する部分だと思います。

 

ポイントとしては、

 

①自己紹介

②課題と解決方法
③価値提供
④行動喚起

 

です。

 

1つ目の自己紹介は、事業計画の社長プロフィールと会社概要や事業概要に当たります。

 

全く知らない相手ですから、まず自分のことを知ってもらうことが必要です。名前と所属する会社・役職名などは最低限必要ですし、場合によっては自身の仕事もしくは自社事業の概要を説明するといいでしょう。

 

2つ目の課題と解決方法は、事業計画の課題と解決方法と同じです。相手に合わせてアレンジを加えるとより効果的になるかと思います。

 

3つ目の価値提供では、事業計画の事業概要あるいは事業戦略にまとめる顧客価値および優位性を説明します。どんな価値があるのか?優位性を提示します。

 

そして最後の4つ目の行動喚起ですが、相手が興味を持ってくれそうなら、踏み込んだコミュニケーションに持ち込み、次回の面談やコミュニケーションの機会を約束します。

 

投資家をいきなり捕まえて、プレゼンをするというのはかなりハードルが高いと思います。

 

いきなり知らない、あるいは親しくもない相手に話しかけられて気分がいい訳がありませんから、ほとんどの場合疎まれるでしょうし、嫌われるでしょう。そんじょそこらじゃへこたれない鉄のハートが必要です。

 

まずは、名刺交換会や異業種交流会などで練習することをお勧めします。

 

このような場では、面識のない人と交流し意見交換することを容認されているので、嫌われることはありませんからね。要約力が身につき、短時間で相手を惹きつけられる話術が身につけられます。

 

 

ピッチイベントで審査員はどこを見ているのか?

審査員は原則、ピッチイベントの審査基準に従って審査をします。

 

審査基準はピッチイベントごとに違っていますから、募集要項をしっかり読んで、プレゼンを作り込んでおくことが大事です。

 

審査基準を無視したプレゼンター本位のプレゼンテーションは評価されませんので、注意してください。

 

イベントごとにプレゼン資料をゼロから作るのは大変ですが、ベースになるものを作っておいて、審査基準に応じて、カスタマイズして行く方法がいいでしょう。

 

ピッチイベントの場合、資料をイベント日よりも前に提出を求められることもよくあります.

 

ですから、審査員は資料に一旦目を通しているので、事業の内容というより、どちらかというと、プレゼンターの言葉づかいや内容、質問に対する受け答え、態度、雰囲気から、事業に込める熱意をみています。

 

審査員から厳しい指摘やコメントがあるかもしれません。それらに怯まず、毅然とした態度で、真摯に受け答えをすることが大事なんです。

 

プレゼンの内容では、実績があるかどうかで印象はだいぶん違います。

 

審査員も専門家でない場合もありますし、そもそもその事業に対して深く関わってるわけではないので、よくわからないというのが正直なことろだと思います。

 

ただこれまでの経験や知識と照らし合わせて、『この場合ならこうなるんじゃないか?』と考えるんですね。

 

そんな状況で、利用者数や売上が伸びているとか、PMFが達成できた、あるいは達成しそうだとか、具体的な実績があれば、いい印象を与えられることは間違いありません。

 

しかし、どうしても実績がない場合もあるでしょう。

 

そんな時は、ターゲット市場の大きさが大きいかどうか、また単価がすごく大きく取れる、あるいは単価が低くても数が取れるなど、売上が爆発する可能性を示す、あるいは売上はそれほどじゃないけど、チャーンレートや原価率の低さをアピールするのも効果的です。

 

 

まとめ

 

今回は、”ピッチってなに?”をテーマに、

 

・ピッチの種類

・各種ピッチの内容を考える

・ピッチイベントで審査員はどこを見ているのか?

という話をしました。

 

いろいろなピッチがあることがわかったと思います。

 

それぞれのシチュエーションに合わせてピッチを作り込んで、投資家に興味を持ってもらって、投資やその他サポートを受けて、アイデアの実現、事業の推進を進めてください。

 

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wrote by ひさつぐ
(本名:丹田 久嗣(たんだ ひさし))

職業  :経営コンサルタント

業務内容:資金調達、上場準備、社外CFO、その他経営コンサル

活動地域:大阪、京都、滋賀、その他(要相談)

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