【資金調達】投資家に魅せる財務計画を作る3ステップ

事業計画は、目的と誰に向けてなのか?で内容を変えなければいけません。

 

わかりやすいのが、銀行融資の際に使う事業計画と、投資家からの第三者割当増資の時に使う事業計画との違いです。

 

銀行は”貸したお金がちゃんと返ってくるのか?”をみているので、保守的な事業計画を好みます。

 

一方、投資家はガチガチの保守的な計画に魅力をまったく感じず、もっと大きく成長する数値を好みます。では投資家なら誰でも『大きく成長する数値』と求めているかというとそれもまた違います。

 

投資家には、エンジェル投資家などの個人投資家、ベンチャーキャピタル(VC)、事業会社などがあり、少しずつ目的が違っています。

 

ですので、投資家によって求めるものや気にしているところは違いので、相手が何を求め、どこを重要視するのか?を把握する必要があります。

 

とは言うものの、程度の差はあれ、成長する財務計画を投資家に見せるということは、やはり大事なことです。

今回は、”投資家を魅せる財務計画を作る3ステップ”をテーマに、

 

・いつ/どこ/いくらで上場したいのか?
・各年度の必要な売上高/利益を算出する
・各年度の科目の数値を埋めていく

 

について話をします。そして、作成するときのポイント/注意点についてもお伝えします。

 

投資家を魅せる財務計画を作るために、『どこからどう手をつけたらいいのか?』わからなかった方も、これらのステップを踏めば必ず作れるでしょう

 

※ここでは、上場を前提に説明をしていきますが、もし上場ではなくM&Aやその他の考えがある場合は、上場の単語を置き換えて読んでください。

もくじ

いつ/どこ/いくらで上場したいのか?

初めに、”いつ/どこに/どれくらいの時価総額で上場したいのか?”を考えるのですが、これらを考えようとする前に、上場した後の会社のイメージをする必要があります。

 

どんな会社にしたいのか?社会でどのような立ち位置でありたいのか?などを考えるんです。

 

未来のイメージを固めて、それに向けて意思決定をしていくことになりますから、非常に重要です。

 

未来のイメージができたら、逆算して、”いつ/どこに/どれくらいの時価総額でに上場したいのか?”を考えていきます。

 

ただし、上場はあくまでも通過点に過ぎず、将来の目標を達成するための手段に過ぎませんので、上場がゴールにならないように注意をしてください。

各年度の必要な売上高/利益を算出する

上場時の時価総額が決まったら次に、上場時に必要な売上高/利益を計算します。この時、マルチプル法の考え方を使います。

自社の株式価値はどれくらいあるのか?(マルチプル編)

 

上場している類似会社を5つ選定してください。

 

そして、それらのPERをYahoo!ファイナンス等で入手してください。5つの平均値を取り、時価総額を平均したPERで割ると、上場時に必要な利益が算出されます。

 

その算出された利益を御社の過去数年の平均利益率で割ると、上場時に必要な売上高が出てきます。

 

上場時に必要な売上高と利益がわかったら、それから逆算して、各年度で必要な売上高と利益を組んでいきます。

 

さらに、それらの売上高/利益を達成するために、何をするのか?をイメージしていきます。

 

売上高や利益はリニアに伸びていくことはありませんから、前半は抑え気味、後半で大きく伸ばすなど、まずは感覚的でいいので数値を入れてみてください。

 

この後、財務計画を各科目を埋めていく中で、微調整をかけていきます。

各年度の科目の数値を埋めていく

各年度の売上高と利益の設定が終わったら、残りの各科目を埋めていきます。

 

各年度の売上高/利益を達成するために行う施策のイメージと、御社のこれまでの実績をもとに、想定しながら入れていきます。

 

各科目を埋めていく中で、売上/利益に微調整が必要であれば、その都度調整をかけながら作っていきます。

 

場合によっては上場時の売上や利益に調整が必要な場合も出てくるでしょう。その場合は、上場時時価総額の見直しをしても構いません。

作成するときのポイント/注意点

とにかく書いてみる

1つ目は、とにかく書いてみることです。白いキャンパスにまず筆を置くことです。

 

不確定要素が多いので、考えがまとまらず、なかなか筆が進まなくなることはよくあります。

 

そんな時はとりあえず、どこかに筆を置いてください。そうすると次の筆へ進めます。

 

描いているうちに、違和感があったら、修正するか、書き直すか、場合によっては、画用紙ごと新しくして、初めからやり直せばいいです。

自前の時価総額は参考値

2つ目は、社内で算出した時価総額は、第三者に対して対抗できません。投資家に信用されません。

 

第三者に信用される時価総額を算出するには、専門家による算定が必要です。

 

投資家によっては、専門家が算出した時価総額を要求されることもありますから、財務計画が確定したのちに、専門家に算定を依頼することをお勧めします。

 

算定には50万円から150万円の費用が必要ですので、こちらについてもご注意ください。

 

また財務計画の内容によっては、マルチプル法での算出が妥当でない場合があります。その場合はDCF法で算出するようにしてください。

自社の株式価値はどれくらいあるのか?(DCF編)

絵に描いた餅にならないように

3つ目は、作った財務計画が達成できる保証は何もありません。

 

しかし、財務計画を作って、第三者に提出をし、それをもとに出資をしてもらった限りは、達成するつもりで真剣に取り組まなければいけません。

 

その点においても、銀行融資よりもシビアです。ですから、心して、財務計画を作るようにしてください。

 

ただ、計画通りにいかなければ、絶対ダメか?というと、そういうことでもありません。

 

計画がズレても、なぜズレたのか?その後どのように進めるのか?しっかりと投資家に説明すれば、理解してもらえますから、心配し過ぎないようにしてください。

まとめ

今回は、”投資家を魅せる財務計画を作る3ステップ”をテーマに、

 

・いつ/どこ/いくらで上場したいのか?
・各年度の必要な売上高/利益を算出する
・各年度の科目の数値を埋めていく

 

について話をしました。

 

これできっと、投資家を魅せる財務計画を作れるようになり、出資による資金調達もスムーズにいくに違いありません。

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wrote by ひさつぐ
(本名:丹田 久嗣(たんだ ひさし))

職業  :経営コンサルタント

業務内容:資金調達、上場準備、社外CFO、その他経営コンサル

活動地域:大阪、京都、滋賀、その他(要相談)

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